シロアリかな?と思ったら。100万頭のシロアリに襲われる前に
家の中で白い?茶色い?アリをみつけてヒヤッとした経験はありませんか?
羽の生えたアリが家の中や庭で飛んでいたなんて事も・・・
あれ?こんなところになんで土があるんだろう。
それはもしかするとシロアリの食害活動の痕跡かもしれません。
大切な財産である我が家に被害を及ぼすシロアリとは
一体どのような生物なのか。
皆さんと一緒に見ていきましょう。
目次
見た目の違い
まずはシロアリと、その他のアリとの見た目の違いです。
色の違いの他にも見分ける方法はあるのでしょうか。
クロアリの働きアリと羽アリ
触角: くの字に曲がっている。
胴: くびれている。
羽: 厚く、前羽と後羽の大きさが違う。
シロアリの働きアリと羽アリ
左は兵蟻、右は職蟻を示す。
触角: 直線的で数珠状になっている。
胴: クビレがなく、寸胴。
羽: 薄く、4枚の羽がほぼ同じ大きさ。
比べてみると触覚や胴などにも見た目の違いがありますね。
分類の違い
クロアリ等のアリは、完全変態(卵→幼虫→さなぎ→成虫と変化する事)で
膜翅目『まくしまく』科に分類され、ハチの仲間です。
一方、シロアリは不完全変態(若虫→脱皮を繰り返す→成虫)で
等翅目『とうしもく』科と呼ばれ、実はゴキブリの仲間なのです。
衝撃的な事実ですね。
シロアリの組織と分布
シロアリの群れは1つのコロニー(巣)に
女王アリ、王アリ、副女王アリ、副王アリ、
ニンフと呼ばれる羽アリになるもの、
そして兵アリと、職アリがいます。
ニンフは全体の2~3%、
兵アリは7~8%、
職アリが90%ほどを占めています。
日本には、
九州、四国、瀬戸内海側の中国地方、
関西の一部を中心にイエシロアリが多く分布。
上記より北にはヤマトシロアリが多く分布しています。
1つのコロニーに対する個体数は
ヤマトシロアリで2~3万頭。
イエシロアリは大きいもので100万頭ものシロアリが生活しています。
食害によるシロアリの見分け方
シロアリの食べ進めた痕を見る事で
シロアリの種類を見分けることが出来ます。
どのような特徴があるか見ていきましょう。
イエシロアリ
イエシロアリは百万頭にもなる集団で生活しており、
加害場所とは別の切り株や木の下等の地中に巨大なコロニーを作り、
そこから建物に侵入します。
切り株の中の巨大な巣
被害進行が非常に早く、甚大になる可能性があります。
更に建物上部まで進行するため、二階や天井裏に被害が及ぶことがあります。
天井板を支える木。食害により崩れ落ちてしまっている。
乾燥した木材でも水分を運び、加湿しながら加害します。
食痕(食害された後)は乾燥しており、綺麗なのが特徴です。
イエシロアリによって食害された母屋(もや)
屋根を支える骨組にまで被害が及んでいる。
網目状の構造が見られる為、分巣化(中継基地化)しているものと思われます。
ヤマトシロアリ
1つのコロニー内の個体数は少ないですが、
地中や食害箇所にコロニーを作りながら進行します。
水分の少ない木材は食害しづらい傾向があるため、建物下側で横方向に被害が進行しやすい。
ただし、雨漏れ等により湿気がある場合は、建物上部へ進行する場合もあります。
床下がコンクリートであっても、その隙間等を通ってシロアリは家の中へ侵入してきます。
(シロアリは水分がとりやすい環境がある場所に『水取り蟻道』と呼ばれる大型の蟻道を作る。)
進行速度は、イエシロアリと比べやや遅い。
食痕は多湿でバサバサしているのが特徴です。
最後に
シロアリがどのような生物なのか、
またその見分け方について纏めてきました。
もし家の中や庭などでシロアリを見つけてしまったらどうすればいいのか。
家を守るために出来る対策を次の記事で紹介していきます。